全日本コーヒー商工組合連合会

2015.04.01

新加入メンバーインタビュー/大阪・泉大津市/(有)プランタン珈琲商会 川畑 正広 氏

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>(有)プランタン珈琲商会 川畑 正広 氏

お店に入ると焙煎機が目に入る、珍しいレイアウトですね。自己紹介とお店のご案内をお願いできますか。

川畑:プランタン珈琲商会 代表取締役社長の川畑正広(かわばた まさひろ)です。よろしくお願いします。
焙煎作業を目の前で行うと、新鮮な状態で豆を提供しているということが伝わるため、一種の演出効果となっていますね。ここで煎った香りが近くの駅のプラットフォームにも届き、香りの看板にもなっているようです。

昭和50年のご開業ですから、長い間コーヒーを扱っていらっしゃるんですね。フードメニューの開発にもご熱心と伺っています。

川畑:21歳のときに、中小の織物業が集う商店街に初めて店を出しました。 この店は、純粋にコーヒーを中心に据えたもので、メニューも極力抑えたものでした。 フードメニューに力を入れ出したのは、2店舗目を出したころからです。

店の作り方はどのようにされていますか?

川畑:「特に、女性の方々に喜んでもらえるものを出さなければ」と思いました。女性客でも入りやすい雰囲気にするため、ステンドグラスとレンガを配したワインカラーを基調とした店に改装しました。

そして、メニューを増やしていった、と?

川畑:大阪中の店を、メモ帳とカメラをもって歩き回りました。ようやくメニューが完成した時は、知恵熱がでたぐらいです(笑)
いまでも人気メニューのひとつに、「テキサス・ママ」ランチというのがあります。 スパゲティ、ドリア、へそパン、サラダ、デザートとコーヒー、食の細い方でもいろいろ召し上がれるようにと、複数の料理を少しずつアレンジしたセットです。

「へそパン」というネーミングを最初にお聞きしたときには、どんなパンなんだろうと、想像が膨らみました。

川畑: へそパンというのは、よくハンバーガーに使われる形状のパンを、ロールパンの生地を使いキメを詰めて焼き上げたものです。ハムをはさんだり、中をくりぬきグラタンを入れることができるもので、それが何かは企業秘密ですが、隠し味をほんの少し加えてあります。
こちらもヒントを探して日本中を歩いた結果を、製パン業者さんと形にしていきました。

ユニークな名前のメニューが多いですね。川畑社長が考えていらっしゃるんですか?

川畑:これらのメニュー名は、店で料理をお出しする際の、料理の組み合わせを表す符丁も兼ねています。今は20種類ほど出しています。

メニューバリエーションが、後々のフランチャイズ展開にもつながるわけですね。

川畑:はい。こちらから積極的にフランチャイズを募集したことはないんです。お店のお客様の中から「喫茶店を開いてみたい」という方が、ひとり、ふたりと現れて、そのお手伝いをするなかで、出店のための勉強ができる店となり、メニュー展開のなかで焙煎した豆など開店に必要なものを卸させてもらうようになった。という流れです。

フランチャイズ展開を機に、お店も移転されたと聞きます。

川畑:トレーニングのための作業スペースを増床する必要が出て、移ったのが現在の店です。 バブルが崩壊したという時代の流れもあり、数は減りましたが、いまでも4店舗がプランタンの名で頑張っていただいております。

フードメニューのほかにも、ずいぶん商品開発を進めてこられたんですね。神戸セレクションに選ばれたものもあります。

川畑:これは、店を手伝う息子と娘のアイデアです。ドンゴロスのミニチュアに、当社お勧めのブレンドを入れたもので、贈答用にも使われているようです。 姿形もかわいいですが、中の豆にこだわった結果、セレクションに応募した焙煎メーカー複数社の中から、神戸ではない大阪の弊社商品を選んでいただくことになりました。

次世代への引き継ぎも順調のご様子です。

川畑:息子の仕事には、あまり口を出さないようにしていますが、選考日に突然呼ばれて「何も話さなくていいから、審査員の前でコーヒーを淹れてくれ」と。後で聞きましたら、このパフォーマンスが「年配のマスターが、実直に淹れたコーヒーが美味しかった」という評価をいただき、セレクションに選んでいただいた理由のひとつだったようです(笑)

ウェブショップのご担当は?

川畑:はい。息子です。2年前からインターネット業者さんにお手伝いいただいて、ウェブショップを開きました。そこそこの売り上げはあるようですが、まだまだ様子を見守っているという段階です。
ショップの運営は息子に任せてありますが、お出しする中身については私の仕事です。私もかなり年齢ですが、コーヒーについてはこれからも手がけていきたいと思います。

ファミリービジネスのお手本にともいえる良いお話ですね。これからも現役で続けていかれると。

川畑: 私は、もともと自分で手がけたものを、お客さんに召し上がっていただくことが好きで、いまでも自分で豆を選び、焙煎、挽いて、抽出してお客様にお出しします。儲け話よりも美味しいものを届けたい、という気持ちが、ひと一倍強いのかもしれません(笑)。
また、周囲の同業者が次第にお止めになりお客様が困っています。止めるにやめられない状況です。

組合加入に至ったお話をお聞かせください。

川畑:京都の百貨店で神戸セレクションを出品した際に、兵庫の常務理事の方(日米珈琲の北浦社長様)と出会い、その後、アラブ珈琲株式会社の西埜社長様(大阪組合の理事長)に、わざわざ店まで組合の説明にいらしていただきました。
そこでお話を伺って「なんて良い人たちなんだろう。それぞれ独自の経営方法や地域密着の運営をされている企業様もいる」と感じて、タイガーコーヒーの犬童社長様にもご推薦もいただき、組合に加入させていただいたたわけです。

長いキャリアをお持ちでありながら、これからも更に学ばれていこうと?

川畑:当社としても、組合に参加させていただき、会員の皆様のご経験を参考にステップアップする動機とさせていただこう、と考えております。よろしくお願いいたします。

今日はどうもありがとうございました。(編集子 Sq+)

組合員情報

昭和50年創業、地域密着型の珈琲店としてスタート。 独自の経営手法でフランチャイズ、卸、ネット販売を展開。 珈琲一粒一粒を大事に、少しでも美味しいコーヒー、明日に繋がるコーヒーを目指す。
コーヒーと相性の合う、豊富なフードメニューが地元メディアにも注目されています。

有限会社 プランタン珈琲商会

〒595-0062 大阪府泉大津市田中町5番6号
TEL:0725-22-0820
FAX:0725-22-0820
営業時間:午前7時~午後5時
休業日:毎週水曜日(祝祭日は営業)

<推薦者より>

アラブ珈琲株式会社 西埜 伊宜様

大阪府の泉大津駅に隣接する地域密着型のコーヒー専門店(カフェ)ですがコーヒーの豆に拘る姿勢やメニュー開発に傾ける努力は必見に値します。
カフェに対する熱情は「プランタン珈琲商会」のスタッフにも表れていますので 訪問の価値は有るでしょう。

問い合わせ
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全日本コーヒー商工組合連合会 事務局

TEL:03-3431-3446 Mail:ajcra@ajcra.org